かみの工作所
ぺーパーカードデザインコンペ2017

おくるをつくる

おくるをつくる展
ペーパーカードデザインコンペ2017
おくるをつくる展は終了いたしました。
ご来場ありがとうございました。

ふと思い返してみると、ペンを手にする機会が減り、時代の変化に伴って「手紙をおくる」ことが少なくなっていることに気付きます。
多種多様な表現で瞬時に情報を伝えることができるようになった現代で、敢えてペンをとって紙に書き、手渡ししたり郵便で送ったりすることは懐かしくもあり、新鮮なコミュニケーションに思えます。
人と人との間をつなぐ「紙」、相手の気持ちを考えるきっかけにもなり、おくる人からうけとる人の気持ちを結びます。
かみの工作所主催の第2回目となる「ペーパーカードデザインコンペ2017」には国内外より357点もの作品応募をいただきました。このコンペをきっかけにそれぞれが考えた「おくる形」は「紙」がつなぐ新しいコミュニケーションを期待させます。
この展覧会では10名の審査員により選出された12点の入選作品を展示します。
会場ではみなさんに「このカードで気持ちを伝えたい」と思う作品に一票を投じていただけます。これからの「おくる形」をみなさんとつくる機会になれば嬉しいです。
投票箱

結果発表

グランプリ

  • DOT ANIMATION CARD
  • DOT ANIMATION CARD
  • DOT ANIMATION CARD
  • DOT ANIMATION CARD
  • DOT ANIMATION CARD
内藤 繁樹

DOT ANIMATION CARD

内藤 繁樹


審査委員コメント
パンチングの中の紙をスライドさせると整列した無数の穴からいくつもの文字(絵)が現れます。今までにも目にしたことのある技法でありつつも、グラフィックの完成度に研究心が垣間見れて、高評価を得ました。メッセージ性があり多くの人の心を動かす作品です。

優秀賞

製品化

  • 切手紙
  • 切手紙
  • 切手紙
  • 切手紙
鈴田 克弥

切手紙

鈴田 克弥

審査委員コメント
切手のピッチを大きくすることで印象がこんなにも変わる驚きがありました。同じアイデアの作品がいくつかありましたが、切取り、折って封筒にできるのが高評価でした。送る側と受け取る側のたのしさが伝わってきます。本作者は三澤遥賞とダブル受賞となりました。

製品詳細はこちらから
国内外の販売店にて好評販売中

優秀賞

製品化

  • バタフライレター
  • バタフライレター
  • バタフライレター
川田 敏之

バタフライレター

川田 敏之

審査委員コメント
一見、誰もが見逃してしまうような静けさから一変して、蝶が羽ばたきます。子供のころ工作した記憶が蘇りますが、敢えて、磁石を使って動かすことを封筒に取り入れたことが斬新でした。シンプルなだけにプロダクトとして追求してみる可能性ある作品です。

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審査員賞

エマニュエル・ムホー 賞
DOT ANIMATION CARD
内藤 繁樹

DOT ANIMATION CARD

内藤 繁樹

審査委員コメント
純粋に感動した。
言葉や絵が現れたり、動いたり、何度もスライドしたくなる、楽しい作品。
色やモチーフを変えれば、無限の展開が期待できる点も魅力。
※グランプリ作品と同一となります。
岡崎 智弘 賞
絵はがき ー絵を描くはがきー
渋谷 翔

絵えがき ー絵を描くはがきー

渋谷 翔

審査委員コメント
ハガキを絵画由来の比率にすることで、少しだけ知っているハガキとは違う存在感となり「何を描こうか?」という気持ちを引き出すきっかけを作っています。ハガキに対する固定概念を少ない手数で更新していて、その手法がシンプルで軽やかです。デコラティブで複雑な作品が多い中、明瞭で爽快な作品でした。
スイッチデザイン 賞
飴のメッセージカード
佐野 圭・秋山乃佑

飴のメッセージカード

佐野 圭・秋山 乃佑

審査委員コメント
送る人が、カードを書いて、包んで、渡す。
受ける人が、貰って、開けて、読む。
どちらの立場でも楽しく気持ちを伝えられそうです。
単品でも複数個でも貰って嬉しいメッセージカードだと思います。
商品としてパッケージされた状態も見てみたかったです。
鈴野 浩一 賞
TONDEKE LETTER
佐々木 晴美

TONDEKE LETTER

佐々木 晴美

審査委員コメント

ペーパーカードを開いた形も閉じた形も無駄がなく、美しく、よく考えられてると思いました。折りたたむと封筒も必要なく、シールも不要なぐらい設計が完成しています。広げるとかなり大きい鳥の形状になり、もらった人の広げた時の喜びを想像できます。

野老 朝雄 賞
TANGRAM
高本 夏実

TANGRAM

高本 夏実

審査委員コメント
タングラムはよく用いられるものかもしれませんが、独特の色合いが美しく、シンプルながらも送り手が愛情が込められる様式だと思います。個人的にもらったらとっておきたいなと素直に感じられた作品です。
長岡 勉 賞
紙を織る
吉浦 楓

うみのぬし

吉浦 楓

審査委員コメント
この作品は、極めて個人的な送り手の気持ちがそのまま伝わってくる楽しさがある。思わず微笑んでしまう世界観がとても気になった。一方でカードを作成したデザイナーの個人的な表現が強いため、展開のさせ方について難しさを感じる作品でもあった。
原田 祐馬 賞
Compass Letter
舌 佑樹

Compass Letter

舌 佑樹

審査委員コメント
遠くにいる人からの手紙は、はるばるやってきた感じがして嬉しい。
「Compass Letter」は、読むとその人の顔や声を思い出すだけでなく、送り主の方向を指し示してくれることで、気持ちがあたたかくなるプロダクトだと思いました。
三澤 遥 賞
Re:LETTER
鈴田 克弥

Re:Letter

鈴田 克弥

審査委員コメント
印刷を最低限に留め、穴あけ加工のみで新しい考えを生み出すことは難しいことだと思います。そこに果敢に挑戦している潔さに好感を持ちました。「おくるをつくる」というテーマに真摯に取り組んでいらっしゃることが伝わりました。
三星 安澄 賞
Building Letters
金森 陽子

building letters

金森 陽子

審査委員コメント

しっかりとした厚みと質感のあるカードはなにげない言葉も特別にしてくれる気がします。全体の色合いや形状もよく考えられていて、見ていても楽しい。送る側も気持ちが盛り上がりそうです。

山田 明良 賞
雲のもと
松山 美欧

雲のもと

松山 美欧・林 千鶴

審査委員コメント

雲をモチーフにしたカードは他にもたくさん提案されてましたが、この作品は雲の造形がとくに素敵でした。伝えるメッセージも透かして見えるなんて微かな言葉でも多くの気持ちが伝えれそうです。「雲のもと」というタイトルも詩的。

審査員 10組

 
  • エマニュエル・ムホー(建築家/デザイナー)
  • エマニュエル・ムホー
    フランス生まれ。1996年より東京在住。emmanuelle moureaux architecture + design 主宰。色を、平面的ではなく三次元空間を形作る道具として扱うテクニックと、大胆な色使いで、建築、空間デザイン、アートまで幅広く手掛ける。東北芸術工科大学准教授。
  • 岡崎 智弘(デザイナー)
  • 岡崎 智弘
    1981年生まれ。東京造形大学デザイン学科卒業。2011年9月よりデザインスタジオSWIMMINGを設立。 デザインの思考を基軸に、印刷物や映像などカテゴリを横断したデザインを行う。
    代表作として「Eテレ デザインあ 解散!コーナー」の企画制作、「離島情報季刊誌ritokei」のアートディレクション、21_21 DESIGN SIGHT「デザインの解剖展」では企画制作協力として携わる。
  • スイッチデザイン(プロダクトデザイナー)
  • スイッチデザイン かみの工作所ディレクター
    大畑 友則 / 瀧 ひろみ によるデザインユニット。プロダクトデザインを中心に活動しています。 静岡県出身、多摩美術大学造形表現学部にてデザインを学ぶ。かみの工作所 デザインディレクター。
  • 鈴野 浩一(建築家)
  • 鈴野 浩一
    2004年に禿真哉(かむろ しんや)とトラフ建築設計事務所設立。
    建築の設計をはじめ、ショップのインテリアデザイン、展覧会の会場構成、プロダクトデザイン、空間インスタレーションやムービー制作への参加など多岐に渡り、建築的な思考をベースに取り組んでいる。主な作品に「テンプレート イン クラスカ」「NIKE 1LOVE」「港北の住宅」「空気の器」「ガリバーテーブル」「Big T」など。
  • 野老 朝雄(アーティスト)
  • 野老 朝雄
    1992年東京造形大学卒業後、ロンドンAAスクールで建築を学ぶ。2001年9月11日より、「繋げる事」をテーマに紋様の制作を始め、美術・建築・デザインの境界領域で活動を続けている。単純な幾何学原理に基づいた定規やコンパスで再現可能な紋と紋様の制作や、同様の原理を応用した立体物の設計・制作も行っている。東京造形大学客員教授、東京大学工学部非常勤講師。主な作品に、BAO BAO ISSEY MIYAKE に《TOKOLO PATTERN》アートワーク提供、大名古屋ビルヂング下層部ファサードガラスパターン、東京2020オリンピック・パラリンピックエンブレムなどがある。
  • 長岡 勉(建築家)
  • 長岡 勉
    1970年 東京生まれ。 慶応大学SFC政策メディア研究科修了。山下設計で活動後 、POINTを設立。 「建築から家具」までの場所づくりに関わるデザイン全般を行う。JCDアワード金賞他受賞多数。 現在、慶応義塾大学 環境情報学部非常勤講師、桑沢デザイン研究所非常勤講師
  • 原田 祐馬(デザイナー)
  • 原田 祐馬
    1979年大阪生まれ。UMA / design farm代表。大阪を拠点に文化や福祉、地域に関わるプロジェクトを中心に、グラフィック、空間、展覧会や企画開発などを通して、理念を可視化し新しい体験をつくりだすことを目指している。「共に考え、共につくる」を大切に、対話と実験を繰り返すデザインを実践。グッドデザイン賞審査委員、京都造形芸術大学空間演出デザイン学科客員教授。
  • 三澤 遥(デザイナー)
  • 三澤 遥
    1982年群馬県生まれ。2005年武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業。
    デザインオフィスnendoを経て、09年より日本デザインセンター原デザイン研究所に所属。2014年7月より三澤デザイン研究室として活動開始。
    グラフィックからプロダクト、空間計画等、多分野でデザインを展開。主な仕事に、KITTE 丸の内のVIとエントランスサイン、 TAKEO PAPER SHOW 2014「SUBTLE」への出品作「紙の花/紙の飛行体」、上野動物園の告知物「UENO PLANET」などがある。
  • 三星 安澄(グラフィックデザイナー)
  • 三星 安澄
    1980年東京都生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。
    在学中より野老朝雄に師事。卒業と同時に独立し、三星デザインを設立。
    ロゴのデザインからエディトリアル、パッケージ、サインデザイン、ペーパープロダクトなど、グラフィックを通じてデザイン活動を行う。元「かみの工作所」デザインディレクター。
    主な仕事に、「GRAPHIC TRIAL2012」、「O JUN 描く児(府中市美術館)」「木々との対話展(東京都美術館)」「ガウディ×井上雄彦展 グッズデザイン」「かみめがね」「トータス」などがある。
  • 山田 明良(福永紙工株式会社 代表取締役)
  • 山田 明良
    1962年愛知県生まれ。アパレル商社を経て、1993年福永紙工入社。2008年同社代表取締役に就任。2006年かみの工作所プロジェクトを立ち上げ、多くのデザイナーと協働で紙の可能性を追求、開発、製造、販売を手がける。

総括

手紙を書くことやカードを送る慣習が今の時代、どれくらい損なわれてしまっているのかはわかりませんが僕自身は紙のメッセージをもらうとかなり嬉しい。アナログなコミュニケーションツールを残していきたいという想いで今年もかみの工作所ではカードコンペを実施しました。
応募件数は前回約160点、今回はその数を超える350点以上!と想定を越えた「おくるをつくる」作品が届きました。ご応募頂いた皆様ありがとうございました。
建築・デザイン業界の第一線で活躍する審査員のみなさんの存在も作品のつくり手には大きなモチベーションに繋がったと思います。
そして審査当日には10人の審査員によりあらゆる角度で真剣な考察が交わされ、フェアに選出されました。
これからグランプリ・優秀賞の受賞作品は福永紙工で製品化に向けての製造トライアルがはじまります。まさにおくるをつくり、最終的に手にとってくれた人の笑顔や驚きのリアクションがいまから目に浮かぶようです。

福永紙工株式会社 代表取締役 山田 明良

事務局・問合せ先

福永紙工株式会社 「ペーパーカード」デザインコンペ2017係
担当:山田祥子 髙橋里枝
〒190-0022 東京都立川市錦町6-10-4
TEL: 042-526-9215
info@fukunaga-print.co.jp